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マリンバイオテクノロジー

藻類と海洋植物のあらゆる可能性を追求する
Marine biotechnologies

ブルターニュ(フランス)を拠点とするSeppicの子会社BiotechMarineは、Seppicの有効成分ブランドである海洋化粧品の有効成分を生成・生産する技術として、藻類と海洋植物から様々なバイオテクノロジーを開発しました。海洋植物や大型海草の脱分化細胞をバイオリアクターで培養することにより、海洋資源を保護するだけでなく、これらの資源の可能性を最大限に引き出すことが可能になります。

海洋植物の脱分化細胞を培養したCeltosome™

海洋性塩生植物は、塩分や紫外線などのストレスにさらされる環境に生息しています。このような環境下で培われた独自の防御機構は、スキンケアに効果的な有効成分を作り出す上で、比類ないリソースとなります。

海洋性塩生植物の脱分化細胞をバイオリアクターで再生・培養し、有効成分に変換、化粧品に配合することで優れた性能を発揮します。

脱分化細胞が優れている点は、特殊な性質を持たず、植物のすべての構成要素を含む可能性があることだと言えます。脱分化細胞は、未分化な状態で自己増殖することも、培養条件によっては植物全体を再生することであらゆる細胞型に分化することも可能です。

それぞれの代謝のタイプによって、特定の代謝物が生成されます。脱分化した細胞は「分子工場」のように働き、適した培養条件を待って、目標とする有効成分を、元の植物とは異なる組成で合成する可能性があります。

Cellules végétales dédifférenciées

持続可能な培養技術「Celtosome™」

脱分化した植物細胞の培養は、無菌条件下で何段階にもわたって行われます。
まず、脱分化細胞を得ることから始まります。植物組織の薄い切片を無菌下で新鮮な植物から切り出し、固形培地に置きます。これは植物の種類によって異なり、新しく生成された細胞が脱分化した状態を保つようにするためです。この細胞集合体をカルスと呼び、これを取り出して新鮮な固体培地に移植します。カルスは、その構造が滑らかで液体に分散できるようになるまで、繰り返し継代培養されます。
次に、カルスの小片を液体培地に移し、常に攪拌して細胞を分散させます。その後、光バイオリアクターで培養を行い、培養を促進させます。
最終段階では、植物化学の専門知識を駆使し、天然活性分子の安定性とバイオアベイラビリティを最大限に保証できる、最も安定した形態を選択します。例えば、細胞培養物の遠心分離や凍結乾燥、ライセートの製造、植物の抽出などがあります。

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大型藻類の細胞を培養する「Celebrity™

大型藻類は、代謝物と呼ばれる生物活性物質を含むことから、栄養補助食品や化粧品によく利用されています。その培養では、生産プロセス全体を通じて細胞の状態を保ったまま、バイオリアクターを用いて原料を生産しています。

このプロセスは、まず実験室で、一滴の海水、貝殻、岩石、またはコロニー化した藻類から採取した大型藻類細胞を選択し、そこから単種培養を行うことから始まります。その後この細胞は、バイオマスを工業規模で生産する増強プロセスを備えた光バイオリアクターで培養されます。

最適なバイオマス生産のためには、培養時の塩分濃度、栄養分の性質、撹拌、ガスの導入、温度などの条件をコントロールすることが不可欠です。こうしてできたバイオマスを成形して、有効成分である細胞濃縮物を作ります。

科学情報

大型藻類から持続可能な海洋活性成分を開発する革新的なアプローチ

CELEBRITY™, focus on

大型藻類の可能性を探る

「海底アマゾン」とも呼ばれるブレア群島は、何千もの種が存在する生物多様性のホットスポットです。多種多様な大型藻類の組成や肌への効果は、実験室で研究することが可能です。BiotechMarineは、あまり知られていない種に焦点を当てることにしました。
褐藻類1,800種、紅藻類6,000種、緑藻類1,200種を含む約9,000種の大型藻類が世界に存在すると推定されています。バイオマスの入手が困難であること、培養が難しいことなどから、化粧品に利用されているのはそのうちの1%未満とされています。

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大型藻類の細胞培養「Celebrity ™」